>HOME  >議会  >2007年6月定例会

【一般質問の模様】
■高島陽子

改革・緑新の島陽子です。今回の選挙で女性の県議会議員が11人となり、私も新人としてその仲間入りをさせていただきまして、まことに幸いで光栄に感じております。結果として全国の中でも女性議員の占める割合は長野県がトップで話題となったことも、議員活動をスタートするに当たり大変に勇気づけられました。

 さまざまな領域や分野に女性が進出し、殊に政治の意思決定の場に女性の代表が居合わせ、それぞれの個性と能力を発揮し、男性とともに大きな活力を生み出していける社会、それを願い質問させていただきます。御答弁をよろしくお願いします。

  

まず初めに、今6月定例会に一部改正を提案されている県男女共同参画社会づくり条例についてですが、この第2次計画の中に目指す姿として達成目標が現状値とともに掲げられています。そこには、主に、小中学校、高等学校の女性校長、教頭の比率の全国順位や、公立小中学校PTA会長、また区長(自治会長)、そして公民館長の女性の割合、それから男性労働者の育児休業給付受給者数、つまり一定期間の育児休業取得者の数など、たくさんの項目が並んでいます。中でも、他県に比べると相当な下位にあるとの指摘も少なくない小中学校、高校いずれもの管理職については、3年後に全国の中位につけようとの目標値が示されています。また、現在、女性の比率がわずか1%にも及ばない自治会長や3%未満のPTA会長は平成32年までに3割になってほしいと、その願いを込めた期待値なども記しております。
 そこで、教育長にお尋ねします。
 平成22年度には全国の中位まで持っていきたいとされた学校現場の女性管理職について、目標達成としての女性の比率を具体的にどう設定しているのかお答えください。また、実際にその数をふやしていくために教育委員会としてはどんな取り組みが必要と考えていますか。お願いいたします。
   
◎教育長
 (山口利幸)
女性教員の管理職登用についてのお尋ねでございます。
 まず、実態でございますが、平成18年度文部科学省調査では、公立小学校長、教頭の女性比率は12.4%で全国43位、中学校校長、教頭の女性比率は3.7%で全国40位、公立高等学校長、教頭の女性比率は4.4%で全国26位となっております。本年3月策定の長野県男女共同参画計画では、平成22年度末までに公立小中学校、高校における女性校長、教頭の比率をそれぞれ全国都道府県の中位以上とすることを目指しております。
 本年度につきましては、まだ全国都道府県の女性管理職比率が公表されておりませんけれども、本県の公立小中学校では、今年度新たに女性校長7人、女性教頭17人を登用した結果、女性校長は前年度より4人ふえて43人、女性教頭は前年度より10人ふえて83人となっております。また、高校では、女性校長は1人、女性教頭は7人となっております。
 引き続き女性の管理職登用を推進するために、市町村教育委員会や校長と連携をしながら、女性教員を校内の指導的立場に積極的に登用し、管理職として必要な指導力や資質を高め、適材適所の登用に努めてまいりたいと考えているところでございます。
   
■高島陽子
ありがとうございます。私自身、子供が通う小学校に足を運ぶたびに感じているのは、義務教育の現場、殊に小学校における女性教員の割合自体は決して低くはない、いや、かなり高いとの印象が強いということです。男女共同参画の意識が子供たちが育つ現場で生かされ、やがて社会にも広がって根をおろしていくためにも、教育現場においてより多くの女性のリーダーも生まれるように、見通しを持ち、計画的で確実な取り組みを求めます。
 次に、行政機関がまずみずから男女共同参画を推進する立場にあるとの認識のもとで、総務部長に県の行政職員の女性管理職の登用状況をお聞きします。
 他県と比較した場合に高いのか低いのか。また、将来もっと多くの女性に管理職という責任ある立場を任せていこうとの議論や、実際にその用意があるのかどうかもあわせてお聞かせください。
   
◎総務部長
 (浦野昭治)
県の行政職員の女性の登用の状況でございますけれども、平成15年の2月に実は女性職員の登用促進・職域拡大等の取組指針というものを設けまして、係長級以上への女性職員の積極登用に努めてきております。
 平成14年と19年を比較しますと、登用率では約4割、39%でございますけれども、増加をいたしております。実質的にはまだまだというふうに御指摘を受けるかもしれませんが、係長級以上職員のうち女性が占める割合でございますが、5.9%から8.2%というふうに上ってきております。
 平成19年の2月でございますけれども、この取組指針第2次をつくっております。18年度から22年度までの5カ年間で引き続き女性登用を図っていくということで考えております。具体的な目標とすれば、19年4月でいくと8.2%の数字を22年では10.68、11%弱に持っていきたい。特に行政職でございますけれども、平成19年でございますと5.29という数字なんですが、それを22年度は7.17と、5割弱の伸びを見込んでおります。
 具体的には、こうした女性職員の配置を目指すというには、まずは職域を拡大していくといいましょうか、まず多様な分野へ女性の職員を配置していくということ、それから、勤務環境ということで、仕事と家庭の両立ができるような勤務環境を整えていく、それからもう1点は、性別による役割意識といいましょうか、固定的な意識を払拭するといった職員の意識改革といったようなことに取り組んでまいりたいと考えております。そうした考え方によって実効ある女性職員の登用というものを目指してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
■高島陽子
次に、この理事者側席に唯一の女性として席を占めている渡辺衛生部長にお聞きしたいと思います。
 実際に管理職をお引き受けになっているお立場と経験から、県の職員からの女性管理職の登用についてどのようにとらえているか。お聞かせください。
   
◎衛生部長
 (渡辺庸子)

お答えいたします。医師として保健所という公衆衛生の現場で長い年月働き続けてきた立場から所見を述べたいと思います。
 自分自身は、働く女性であるということ、余り女性として意識したことはなかったような気がいたします。保健所での仕事は楽しくてやりがいがございました。また、幾つかの保健所を経験しておりますけれども、この地域では今何が課題かを把握し、それを保健所業務に反映していくことを心がけてまいりました。昨年の11月に衛生部長を拝命したわけですけれども、今までのキャリアを生かしてさまざまな課題に取り組む、そんなチャンスを与えられたことを非常に感謝しております。
 日本の社会におきましては女性の登用がおくれていることは確かでございますけれども、比較的短時間で全国で女性知事が5人誕生したことを見ておりましても、確かに社会は変わってきているということを実感しております。
 ポストが人を育てるという側面がございますので、女性登用についてはやはり雇用者側の意識が非常に重要であると思います。また、それと同時に、さまざまな仕事に果敢にチャレンジしようとする女性側の姿勢とパワーも大切であると考えております。
 いずれにいたしましても、仕事かあるいは家庭かを選択するのではなくて、仕事と家庭を自分の人生の中にきちっと欲張って取り入れて生き生きと輝いて生きるためにはやはり社会環境の整備が必要だと思いますので、今後とも積極的にこの環境整備を進めていく必要があると考えております。

   

■高島陽子
ありがとうございました。これまでの関係部局からの御答弁を踏まえて、次に知事に質問します。
 知事は、ことし4月13日の知事会見で、本議会に女性が躍進したとの関連質問に対するお答えで、知事のかつての職場で一緒に仕事をした複数の同僚の女性パワーに圧倒されたとの御経験に触れています。また、渡辺衛生部長に対しては、十分な経験を高く評価され、最も適切な人材として起用したとも述べています。その上で、女性職員も経験の機会を積んで、できるだけ偏見なくチャンスを与えることが大事だとも述べています。
 一方、それに先立つ2月6日の知事会見でも、これから10年、15年という期間には女性が社会にどんどん進出していただかないと世の中が動かなくなってしまう、また、日本の社会で企業、経営を維持していくために女性の力をうまく利用することが必要だとも答えていらっしゃいました。少子・高齢、人口減少の進展に伴い、女性の労働力にも強く期待を寄せていらっしゃるようです。
 4月の会見に戻りますが、知事がかつての職場である通産省時代の同僚女性の名を挙げて評価する中で、先達の事務官初め、大臣や知事まで上り詰め、羽ばたいた川口順子氏や、太田房江、高橋はるみ両氏らを5人姉妹になぞらえていたことは印象的でした。こうしたお答えを踏まえた上で、知事が女性の登用についてどのようにお考えになっているのか。お答えいただきたいと思います。
   
◎知事
 (村井仁)
ただいま、島議員と理事者とのやりとりをずっと拝聴しておりました。女性の管理職登用につきましては、先ほど総務部長、教育長からそれぞれ答弁ございましたけれども、男女共同参画社会づくりを進めるという上からもなお一層取り組む必要がありまして、女性の管理職を育てていく姿勢というのは大切だと思っております。
 今、私の会見における発言を引いて御質問ございましたが、先ほど渡辺部長からお答えした5人の女性知事のうち2人は、今から25年くらい前になりますか、たまたま私が局の筆頭課長をしていたときに、その局の中で働いていた同僚の職員でございまして、そのときはずっとジュニアな立場であったわけでありますけれども、若いうちにチャンスを与えられて、そして鍛えられたということが非常に大きなその後のこの人たちの飛躍の契機になったのではないか、そんなふうに思っております。
 私は、そのことを申し上げました上で、登用に当たってはクオータ制のような割り当ての考え方もありますけれども、やはり適任者を登用するという姿勢、いわゆる適材適所を貫くということがより大切なんだろうと思っております。
 長野県は大変女性の有業率の高いところであります。先ほど議員がお子さんの学校で女性教員が多いということを指摘されました。まさにそういう社会なんだと思います。本格的な人口減少の時代を迎える中で、社会の活力を維持するためには女性のパワーがどうしても必要であります。そういう意味では、女性が出産、育児などを経ても職業キャリアを中断することなく、また、男女がともに仕事との調和、ワーク・ライフ・バランスというんでしょうか、そういうものを図りながら子育てなどの家庭生活を担っていくことのできる社会環境の整備を国を初め関係機関連携して進めていくことが大切なんだろうと思っております。
 そういう意味で、もう一度管理職登用というところに絞ってお答えをするならば、若いうちにいろいろな機会を与えるような配慮はそれぞれの職場で大切だと思いますが、同時に、女性のそういう立場にある、チャレンジをさせられる立場にある方と申しましょうか、そういう方も余り躊躇せずにチャレンジしてほしいという思いが私はございます。私、女なんだからまあこのぐらいでというようなことで引かれてしまうと、これは進める立場にしましても、将来幹部候補生になり得るというふうに思って進めるのが途中で足がとまってしまう、これは私は女性の側でももっと積極的に進んでいただく必要がある。
 もう一度繰り返しますけれども、私はクオータ制のようなやり方はあんまり賛成じゃありません。公務の世界でもどこでもそうですけれども、ある一定の質というものは確保しなければなりません。女性なるがゆえに特定の地位が与えられるとか、より優遇されるというのは、私はとるところではありません。あくまでその能力に着眼して登用するという姿勢は私は堅持するつもりだということを申し上げておきたいと思います。
   
■高島陽子
御答弁、ありがとうございます。本県においてもぜひ、先ほどの5人姉妹の例えがありましたけれども、知事が温かいまなざしを持ちながら、それらキャリアアップした女性先駆者たちにつながる人材をこの県においても、今度は娘や孫娘あるいはめいとして見守り、能力をさらに発揮できるように挑戦や経験の機会を積極的に与えて後進の育成を進めていっていただきたいと、そんなふうに願います。
 次の質問に移ります。
 女性医師がふえています。最近の医師国家試験で合格者の3割が女性との報告もあり、女性医師が働き続けていくための労働環境整備が喫緊の課題となっています。
 そのような状況をとらえ、県は女性医師ネットワーク協議会を立ち上げました。渡辺衛生部長を会長にして、県内で医療機関に従事する女性医師12人で囲む協議会は、つい一昨日の6月24日に初会合が開かれ、私も一部を傍聴させていただきました。委員お一人お一人が御自身の経験や現状認識を率直に述べ、医師としてのキャリアと家庭生活を両立させる難しさを訴え、それを解決する方法や提案なども交え、生の声には大変実感がこもっておりました。この協議会を導いていくお立場につかれた衛生部長に敬意を表し、お尋ねします。
 協議会が設置された目的や、初めての会合を終えての感想、そして具体的な検討課題、そして今後の方向についてお聞かせください。
   
◎衛生部長
 (渡辺庸子)
お答えいたします。
 この協議会は、本県における女性医師に係る情報の交換、また共有化を図るとともに、女性医師支援策等について検討、協議を行うために設置したものでございます。先日の24日に第1回目の協議会を開催いたしましたけれども、女性医師が出産、育児等を機に離職しないための対策や、一たん離職した女性医師を現場に復帰させるための対策等につきまして各委員から以下のような意見が出されました。
 まず、夜間や緊急時にも子供を預けられるサービスの充実、勤務時間の短縮やワークシェアリングなどの柔軟な勤務体制の導入、復帰希望の方にはコーディネーターがつくなど、個々に対応したきめ細やかな復帰支援、医師の負担軽減につながる医療アシスタントの導入に対する助成といった、委員御自身の経験などから貴重な御意見をいただき、大変有意義な会議であったと考えております。できれば、今後、県の政策提言みたいなこともやっていただければと考えております。
 今後も引き続きこの協議会での議論を重ねながら、出産、育児などのライフステージに応じて、女性医師が働きやすい環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
   
■高島陽子
どうもありがとうございました。今のお話の中でも、私も全く同感で、委員の中からは、大変過酷な労働環境が恒常化しているといった声や、それから女子生徒が医学部を目指す際に、結婚や出産、育児といった女性のライフステージを見越したキャリア教育を提案される、そんな委員もいらっしゃいまして、本当に今回の協議会が一つの先行例としてモデルケースとなっていく可能性を期待しております。
 今回の協議会というのは、多分、深刻化している医師不足の解消を図ることも大きなねらいの一つだとは思います。しかし、同時に、女性に限らず、男性も働きやすい労働環境であるかの点検というのも一度必要となってくるのではないかと、私はその協議会を拝見していて強く感じました。女性や母性の保護の結果、ともに働く男性の同僚に大きなしわ寄せとならないためにも待遇や環境改善には全体の底上げをする視点も欠かせないと、そんなふうな議論も今後重ねていただきたいと期待いたします。
 次の質問に移ります。
 今月6日、少子化を考える懇談会の第1回目の会合が開かれました。この懇談会の設置目的やねらいなどについて担当の企画局長にお尋ねします。女性委員が多数の構成となっているようですけれども、公募2人を含む委員の人選にはどんな配慮をなされたのかも含めてお答え願います。
   
◎企画局長
 (和田恭良)
少子化を考える懇談会の設置目的と委員の人選に関するお尋ねでございますけれども、この5月でございますけれども、公表されました社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、本県の人口でございますけれども、2035年には177万人というところまで減少するということでございまして、約30年間で2割という大変急激な人口減少、そして少子・高齢化が大変進むということでございます。本県の経済力あるいは社会の活力など、さまざまな面に影響があろうと考えております。
 とりわけ、少子化が抱えますさまざまな課題、あるいは安心して子供を産み育てることができる環境づくりにつきまして幅広く検討するため、長野県少子化を考える懇談会を設置したところでございます。
 委員の選任でございますけれども、課題が出産、育児、労働、雇用など大変幅広い分野に関係しますことから、医療、福祉、経済、労働、子育て支援、NPOなど、12の団体等に委員の選出をお願いいたしました。また、今お話がございましたように、みずからの子育て体験に基づく御意見を伺うために一般公募による委員を2名お願いいたしました。さらに、子育てに対する女性の視点を重視したいということで、合計20名の委員の3分の2に当たる13名につきまして女性委員をお願いしたところでございます。
 以上でございます。
    
■高島陽子
今、御紹介いただきましたメンバーの中にはお歴々の方が少なくないなという印象を受けております。少子化対策については現に子育てしている当事者を中心とした若年層の声にもぜひ耳を傾けて、子育てしやすい社会の実現に向けていかに環境整備をしていくか、そういった意見集約も重要と考えております。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 ただいま所管の責任者から御答弁いただきましたが、知事に直接お尋ねいたします。
 人口減少社会を招いた最大の要因と見られている少子化について、村井知事は何が問題だと考えていますか。少子化問題はマイナスのイメージで語られることがほとんどなのですが、知事の御認識をお聞かせください。

   

◎知事
 (村井仁)
少子化がなぜ起きたのかということになりますと、なかなかこれは難しい問題でございまして、いわゆる俗に言う先進国では大体軒並み子供の数が少なくなっているという現象がございます。そして、いわゆる高齢化というのは、同時に、非常な福祉社会ということとある意味では同義語でございまして、簡単に言えば寿命を全うするということになるわけで、昔のように比較的若年で病死する等々のことがないという、この二つのことが日本では相まっていわゆる少子・高齢化という現象が起きてきたんだろうと思っております。
 ただ、一方では、私は、ただいまの御指摘がございました懇談会の冒頭のごあいさつでもちょっと触れたんでございますけれども、日本は今から約70年前の時点では要するに朝鮮、それから台湾というような植民地を含めて約1億の人口であった。この日本の四つの島の上では約7,000万の人口であった。それが急激に人口がふえまして、そしてそれがピークアウトして今減少に転じつつあるというような状況でありまして、今からわずか50年前には、日本は余りにも過大な人口をこの国土で養えないのではないかというような問題意識から移民まで現実に奨励された事実があるということを申し上げまして、一体、少子化ということが言われるけれども、これが大変否定的な側面、悪いことが起きているんだという側面だけでとらえていいのかどうか、そういうことも含めて御議論いただけないかというような、あえて問題提起をした事実はございます。
 ただ、そうは言いながら、将来の労働力人口やあるいは消費者人口の減少によりまして、経済や地域社会の活力の点でもさまざまな影響があり得るということは、いわゆる少子・高齢化、人口減少という趨勢を見ますときに考えなければならない問題だと思っております。
 また、本年2月に行いました県政世論調査では、回答者の約8割が子供の数が減少していることが問題だというお答えでございます。問題意識を持っておられる。その対策を講じていくことが、そういう意味では県政の重要かつ喫緊の課題であると私も考えております。
 少子化の問題というのは、子育てから労働や雇用までに及ぶ広範な課題を含んでいるわけでございますが、とりわけて出産、子育てによる女性のキャリアの中断や、あるいは子育てに多くの経費がかかるという実態、こういったことが少子化につながる大きな要因であるととらえるのが一つの大切な問題意識だと思っております。
 少子化への対応というのは、あるいは対策というのは、行政のみならず、企業あるいは地域社会の取り組みを含めて総合的に進めていく必要があるわけでございまして、そういう意味で先ほど来議員からもお触れのございました少子化を考える懇談会において十分な御議論をいただきまして、そこから県として対応するべき手段につきまして御示唆を得ることができればと、こんなふうに望んでいるところでございます。
    
■高島陽子
くだんの懇談会にて委員に配付された資料のうち、「県の少子化対策関連施策の現状」と題する2枚のペーパーには、家庭の経済的支援から医療・生活支援、保育・教育環境の充実、セーフティーネットの形成と、それから仕事と家庭の両立に向けた働き方の見直し、また居住環境など社会基盤の整備など多岐に及び、さまざまな事業が列挙されています。これほどまでに少子化をキーワードにした事業が盛り込まれ、取り組まれていることには敬意を表します。
 一方で、少し懸念されますのは、少子化という現象が、今知事がおっしゃったように複雑な構造と多面的な要素から招かれているかもしれないということで、このために行政が多様な事業を展開してもなかなか打開策が見つからないのではないかという心配です。
 知事は、2月6日の知事会見で、記者からの質問にお答えになり、少子化の問題というのは率直に言って特効薬があるわけではないと思うとの見解を示されています。また、子供を持つことによって職場をリタイアした女性の雇用に対して企業への規制的な方法や制度だけでは対応し切れない、行政がかかわろうとしても限界はあるとも申されていました。この御認識について何らかの変化はありませんか。お答え願います。
   
◎知事
 (村井仁)
今もお答えしたことと重なりますけれども、いわゆる少子化という現象自体、非常に複雑な要因から起きてきた現象であり、もっと言えば時間も随分かかって今こうして顕在化しているわけでありまして、そういう意味では、それに対してこういう手だてを講ずれば片づくというほど簡単な話ではない。そういう意味では、今引用されました会見で私が述べたことは基本的に今も同じ認識でございます。
   
■高島陽子

少子化という言葉に私自身が初めて出会ったのは、私が高校1年の「現代社会」の授業の中で、教科書の記述の中に、そしてまた担当教師も指摘していたわけですが、それから20年余り経て自分自身が親となった今、これほどまでに人口減少が進行し、深刻化したこの問題に直面するとは想像もしませんでした。当初は、このような状況を招くとは当時の政治家の認識も低かったのだと思いますし、これほどじわじわと進む問題に目をつぶっていたのではないかとも考えられます。
 しかしながら、子供を産んだり、一生懸命に育てたりしている側からすれば、決して少子化解消に貢献するために動機づけられて子供を持ったりするわけではないと、そんなふうに思っております。ここに、行政と国民あるいは県民との意識のずれがあり、なかなかうまく進まないかと思われます。
 私の最近の身近な例ですが、3人の幼い子供を持つ母親仲間が失業しました。育児中でも柔軟に働けるとの魅力で派遣会社に勤務し、事務の仕事を覚え始めたころでしたけれども、子供の春休みに契約上では許されている休暇を申請しながら、直前になって出勤を命じられ、離職を余儀なくされたということです。家庭の経営や子供の健やかな成長を本当に真剣に考えて、しかも勤労意欲のある女性が、そして彼女はできればもう一人子供を持ちたいとも話しておりますけれども、教育費や生活費などこれ以上の経済な負担や、不安定な身分の仕事しかもうこれからないかもしれない、そんなためらいの中でも今は新たな職を求めています。
 卑近な例ですけれども、私自身も、同じような思いでこれまで何度もあくせく求職し、うまくいかずに苦悩した経験があります。潜在的にはこんな気持ちの若手の親たちが少なくないのではないかと見ています。
 県の役割からすれば、実際の保育や子育てサポート事業というのは市町村の持ち分とおっしゃるかもしれません。しかし、県として、いわば政策的に誘導する意味においても、工夫や知恵を集めた市町村の関連事業への助成とか、あるいは思い切って子育て減税の導入など検討の余地はあると思います。
 子供を産み控え、育児不安のある社会は、社会の構成員が総じて暮らしにくい社会であるとの認識に立ち、どうか、今回の懇談会が考えるだけにとどまらず、子育て現役世代を励まし、安心して子供を引き受けていける長野県を目指していただければと願って、私の質問を終わります。

   

【社会衛生委員会】
■高島陽子 ちょっと医療事故の関係で、3点ほどお尋ねします。今回の議会が始まる前から、プライバシーなどに配慮しましてかなり慎重に取り扱った件ですので、私はいろいろと事故に遭われた方のことを大変大切に考えた上で、制度的な部分というか今後の事前策ということに視点を置きながら、質問させていただきます。
 その木曽病院の、今回の出産をめぐる事故の関係で、7,500万円の賠償ということですけれども。確かに、訴訟に持ち込むことは大変穏やかではないですし、個人情報やプライバシーの問題もありますから、先方の方からの希望ということで、事をあまり荒立てないでということだと思いますけれども。配慮され過ぎることで、問題が見えにくくなるような心配もまたございますし、できれば起きてほしくないことなので。
 まず1つ目は、この損害賠償の今回の手続の関係、ちょっとお尋ねしたいと思います。予算説明書の方の12の1のところで、収入というところで、病院賠償責任保険金とありますけれども。これはどうも、いろいろ医療訴訟が非常に多いので、これは一般的な保険の制度があると思うんですけれども。これやはり、県として掛け金の負担をしていると思います。ここら辺の仕組みとか手続、あるいは今回の保険金を請求するに当たって、今後何かその掛け金に変化があるかとか、そういうことについてちょっとお尋ねします。お願いします。
   
◎県立病院課長
(北原政彦)
今、委員さん御指摘のとおりで、病院についてはいろいろな医療事故を防ぎたいんですけれども、ある程度起きるというのも実態であります。そういうことで、任意保険ということで、病院と医師に対する任意の保険金を、県が負担して払っております。木曽病院の場合は、ちょっと数字はあとであれですけれども、600万円ちょっと出しているんですけれども。それで今回、この7,590万円まで保証されるという限度額1億円の保険に入っています。医師も1億円まで入っていますので、2人連結すれば2億円ぐらいまでは対応できるというような保険にはなっています。
 ただ、いったん保険金は払いますと、自動車の損害賠償保険と同じようにペナルティというか、割り増しが出てきます。ここら辺については、保険期間内にどのぐらいお金を保険会社が出したかによって割増率が違いますので、すぐ来年ということではなくて、2年後から上がるというふうに聞いておりますので。今回のが、どのぐらい跳ね上がるか、またこれは起きたことで、もらうものはもらいますけれども、それについては保険会社と相談して来年度のというか、必要なときの予算措置をしていかなければいけないというふうに考えております。
   
■高島陽子 ちょっと、今600万円というのは年額ということでよろしいんでしょうか。これ過去にこういった形で賠償措置を執った、県立病院における医療事故で執った経過として、何件かあったんですか。初めてのケースではないということですか。
  
◎県立病院課長
(北原政彦)
今回が、初めてのケースではありません。昨年、総合リハビリテーションセンターが県の衛生部所管だったときがありまして、それは1億2,700万円ほどの保険金を払っております。ただそれについては、100床以下のベッドの病院についてはペナルティがないということで、幸いにしてペナルティを受けない予定です。
 すみません、先ほど600万円と言いましたが、617万円が19年度の契約額です、木曽病院については。それで、割り増しがかなりついてくるというふうに、今のところ試算はしております。倍以上になるのかなというふうには思います。それが5年ぐらいペナルティがありますので、今、試算では740万円ぐらい増えるのではないかなと思っていますけれども。3,700万円ぐらいは、7,500万円を払ったことによって向こうへ返すというか、そんなような計算にはなります。その期間が過ぎれば、また元に戻るということで。賠償額、あまり多く払うと、やっぱりかなり経営に、損益に影響が出てくるんだというふうに思っております。
   
■高島陽子 私もまだ、会計の仕組みがよく分かっておりませんので、今、病院ごとの会計のようなのですが。確かに、訴訟があまりにも多く、そして今までのいろいろな委員さんの質問の中にもありましたけれども、医師の確保が大変難しくなっていると。その一つの要因に、訴訟に対応しなければいけない、そのいろいろな厳しさがあるということで、保険の手立てというのも必要なのかなと、今、思いましたけれども。それについては、理解しました。
 それで、木曽の保健医療圏というんですね、これ。その木曽の中で、圏域の中で3町3村の中で、お産ができる機関というのはどのぐらいあるんですか。あるいは、もう一ついいですか、場合によっては越県してお産をしているケースもあるかもしれないんですが、その辺も含めて、環境についてお話しいただきたいんですが。
   
◎衛生部長
 (渡辺庸子) 
木曽の中でできるのは、木曽病院だけです、お産は。ただ医療圏、割と木曽は3つに分かれておりまして、南の方は岐阜県の病院へ出ることが結構あります。北の方は塩尻だとか松本へ出ることがございまして、木曽病院はそこに中部の方たちが木曽病院という、そんな傾向にはございます。

  

■高島陽子 いずれにしましても木曽は広いところで、今、今回の木曽病院の産科の医師が2人で、助産師も数人ということを聞いておりますので、いろいろな意味でもう少し環境改善の方に努力していただきたいと思うんです。
 それで、報道の関係でちょっとお尋ねします、これが最後の質問にしますので。今回、6月定例会の初日にこの議案書が出た関係で、22日から23日にかけて各紙で報道されております。大体書いてあることはそれほど変わらないとは思うんですけれども、読売新聞では、出産の際にさい帯がねじれ、酸素などが男児に行き渡らなかったのが原因と書いてあります。へその緒の異常ということがちゃんと指摘されているんですけれども、ほかのところでもちょっと、胎児の様子がおかしいとか、胎児の様態が急変したとか、そういうような表現を使っていまして。これは、報道側の表現する配慮だと思うんですけれども。ちょっとお伺いしたところ、報道機関には個別に対応されたということなので、できるだけその情報が、できれば統一されている部分もあってほしいというのが、私の要望です。
 お産に関して本当にリスクも伴うことだというのは、私自身も経験いろいろあって、身内にも同じようなケースのことがあったので、理解はしたいところなんですけれども。できれば、例えば木曽病院の院長の見解というのも、載っているところと載っていないところがあるんですけれども。できるだけ報道側には、今回のは最善の配慮をするということもあったので、統一して御説明していただいた方がいいのではないかと思うんですが、その点についてちょっとお話しいただきたいんですが。
   
◎県立病院課長
(北原政彦)
今回の件については、交渉の中で、被害者の御両親から、公表は望まないという大きな要請がありましたので、それに対応するべく配慮してきている中で、一括の説明とかそういうようなことは、あえてしなかったという経緯があります。取材でございますので、取材には誠心誠意対応させていただきたいという中では、対応させていただいております。
 取材側からいろいろ言われて、若干バランスが欠けているところがあるかもしれませんけれども、これについてはちょっとどういうふうにやっていったらいいのか、プライバシーの問題と、県で予算を出さなくてはいけないという公益性と、そこら辺の絡みもありますので、また冷静に対応を考えていきたいというふうには思っております。
   
■高島陽子
この息子さんをこういった状況にさせられたと言ったらあれですが、医療事故によって、本来でしたら元気で健康に出産できたかもしれない子供を、こういった形になって2年、3年と預かっている御両親の気持ちを考えると、特段の配慮は必要だと思うんですが。やはり予算措置をしているという観点と、それからやっぱり要因をちゃんと把握して、今の病院の方の職場労働環境をちゃんと整備していくという責任においても、やっぱりこれは一つ整理しておかなければいけないと思いますので。
 いずれにしても、相手側の名前が出ないということでも、報道機関には伝えるとしても、必要性が発生してしまいますから。いずれにしましても今後繰り返さないためにも、特段、その配慮をされて検討していただきたいと要望して質問を終わります。

 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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